大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1154 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人香田広一の上告趣意第一点について。

原判決が挙示した各証拠(その一部は第一審判決挙示の証拠を引用している)を

綜合すれば判示横領の事実を認定するに難くはないのであつて所論は原判決挙示の

証拠に対する独自の判断に基くもので採るに足りない。

論旨は理由がない。

同第二点について。

記録について精査検計しても原審において原判決挙示の各証拠を特に本件の罪証

に供しその他記録中に存する論旨指摘の各証拠を採らなかつたことが所論のように

実験則ないし採証の法則に反するものとは認められない。所論は畢竟原審の自由心

証に委ねられた証拠に対する取捨選択を非難するに帰着しかかる論旨は到底上告適

法の理由にならない。従つてこの点の論旨も理由がない。

同第三点について。

論旨は結局原判決の事実誤認を主張するに過ぎないから論旨は上告適法の理由に

ならない。よつてこの点の論旨も採用の限りでない。

以上本件上告は理由がないから刑訴施行法第二条旧刑訴法第四四六条に従い主文

のとおり判決する。

右は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 平出禾関与

昭和二六年八月三一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

- 1 -

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!